那須の別荘を購入したけれど、こんな悩みはありませんか?

- 「隣の木が越境して屋根に枝がかかっている…勝手に切ってもいいの?」
- 「日当たりが悪くて困っているから、隣地の木を伐採してほしいけどどう頼めば?」
- 「雑草が生い茂って見栄えが悪い…どうにかしてほしい」
これらは、私が実際に那須の別荘地の管理事務をしていた際に、非常によくいただいたご相談です。
この記事では、那須のような自然豊かな別荘地における「隣地の木の伐採」について、法律上のルール、連絡方法、費用負担などを分かりやすく解説します。
【結論】隣地の木は勝手に伐採できません
まず最初に大切なことをお伝えします。
隣地の木は、原則として勝手に伐採することはできません。
これは【民法第233条】により定められています。
ただし、2023年の民法改正により「隣地の木の枝が越境している場合」は、一定条件下で自己判断による伐採が認められるケースもあります。
※詳細は後述します。
隣地所有者への連絡方法と対応の流れ
隣地の木がご自身の敷地に影響を及ぼしている場合、まず行うべきは隣地所有者への連絡です。
管理会社がある別荘地の場合
- 管理会社へ連絡
- 問題となっている木の写真と要望内容を作成してもらう
- 管理会社経由で隣地所有者へ通知してもらう
管理されていない別荘地(未管理地)の場合
- ご自身で法務局へ行き、隣地の登記簿謄本を取得(オンラインでも取得可能)
- 登記簿に記載された所有者へ、写真付きの要望書を送付(可能な承諾書を同封)
連絡がつかない場合の対応方法
民法では以下のような条文があります。以前は連絡が付かない場合でも勝手に竹木を切除することは禁止されていましたが、法改正により条件を満たせば切除可能となりました。
(竹木の枝の切除及び根の切取り)第233条
- 土地の所有者は、隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者に、その枝を切除させることができる。
- 前項の場合において、竹木が数人の共有に属するときは、各共有者は、その枝を切り取ることができる。
- 第1項の場合において、次に掲げるときは、土地の所有者は、その枝を切り取ることができる。
- 竹木の所有者に枝を切除するよう催告したにもかかわらず、竹木の所有者が相当の期間内に切除しないとき。
- 竹木の所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができないとき。
- 急迫の事情があるとき。
- 隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、その根を切り取ることができる。
条文でこのように書かれていますが、後々のトラブルを防ぐために下記の対応を取っておくとより良いでしょう。
1. 郵送が届かず「宛先不明」で返ってくる
→ この場合は、すぐにでも伐採を行っても差し支えないケースといえるでしょう。
ですが、写真や郵送して返却された書類は、しっかりと保管しておきましょう。
2. 郵送物は届いているが返事がない
→ まずは2週間程度待ち、返事がなければ再度要望書を送付。
「○月○日までにご連絡がない場合は伐採を行います」といった文言を記載し、郵送しておくと良いです。
費用は誰が負担するの?
基本的に、伐採費用は所有者に請求するのが原則ですが、以下のようなケースでは依頼者側の負担になることもあります。
- 隣地所有者と連絡がつかない
- 所有者に支払い能力がない
- 自ら早急に伐採を希望する場合
ちなみに、別荘地の管理費から捻出出来ないのかと、よくご質問をいただきますが、別荘地に支払っている管理費(共益費)は共用部分の維持に充てられるため、個別の要望(伐採費用)には使えません。
実例紹介:我が家での伐採体験談
我が家でも、南側の隣地の木が年々伸び、庭に日が差さず、洗濯物も乾きづらくなって困っていました。
最終的には管理会社に連絡し、自費で伐採する前提で隣地所有者の了承を得る形で進めました。
結果として、快く承諾をいただけ、スムーズに伐採完了。
- 高さ15mの雑木3本で約15万円
- 使用機材や立地条件によって金額は変動するため、相見積もり(2社以上)がおすすめ
- 伐採業者は管理会社等で紹介してもらうのがベスト

注意点とアドバイス
- 強風や台風で倒木する前に、早めの対応を
- 樹木の寿命にも注目(枯れ枝、根元のキノコ、虫食いなどは危険サイン)
- 景観を損ねないよう、必要な木は残しつつ、計画的に伐採
まとめ:快適な別荘ライフのために
那須のような自然豊かな場所では、都会ではあまりないようなトラブルも珍しくありません。
定期的な点検と管理を忘れずに、自然豊かな景色や環境を残しつつ、快適な別荘ライフを過ごしましょう!